天井に設置された小さな非常灯を頼りに、僕は細長い一本の通路を真っ直ぐと駆け抜けていく。
周囲は見渡せない程の暗闇ではないが、それでも一般人にはこの多少の薄暗さに慣れる事はまず有り得ないだろう。
だからと言って人間の目という物は時間さえ経過すればする程冴えていき、どの明るさでも対応するので恐いものだ。
(間に合ってくれ)
通路は途中から十字に交差し、看板には各々の場所が記入されていた。
左はサポーター室、右は制御室、正面には非常通路だ。
僕は敢えて非常通路がある正面を選び、そのまま背後を振り向かずに直進した。
どうせ佐野の事だ。ガオウの存在に気付いて今も逃走している筈だ。
だがホワイトクラン内は回線異常によって正常に動作していない所を見ると、佐野自身も事前に用意した逃走経路は使えず、この非常通路を使用するしか他に方法は無いだろう。
それにこの非常通路だと土地勘のないガオウは確実に撒けるので、出口を間違えない限り安心して使用出来るのが佐野にとって最大の利点だ。
すると通路の奥で手を振る白髪の少女が見えた。
支援科の私服のような白色のセーラー服姿に、子供を感じさせる程の低身長で小柄な見た目。
彼女はこのホワイトクランの管理者であり、支援科と支援科を総括する創立者の椎名白愛で間違いない。
だが現在このホワイトクランでは多大な被害が発生している中、何故この場所に彼女がいるのか考えてみたものの、僕には全く見当が付かなかった。
「椎名さん?」
「ん……、来た。こっち!」
椎名さんは僕に気付くと先陣を切って通路の案内を始めた。
「何で椎名さんが?」
「佐野に用事。明人が行くなら私も一緒に行こうと思って、……駄目だった?」
「全然心強いですけど、大丈夫ですか?」
「心配性……。でも明人が近くに居るなら大丈夫……」
すると僕達の進行方向を塞ぐかのように鉄格子のフェンスが見え、そのフェンスはキーロックによって厳重に施錠されていた。
キーロックを解除しなければ先へ進む事は出来ないだろうが、僕はそのフェンスに何処か違和感を覚える。
防犯上取り付けていたとしても鉄は酸化して次第に錆びる筈だが、このフェンスには何処にも錆はなく、僕には新品同様な状態に見えたからだ。
「あれは私じゃない。佐野もやるね」
「どうします?」
「明人にパス」
「マジか……」
「……嫌?」
椎名さんは首を傾げ、水晶のような白く透き通った瞳で僕を可愛く見つめた。
そんな眼差しで見られたら僕が断れない事を知ってる癖に、そんなのお構いなしの彼女に断れる筈もなく、僕は軽く溜息を吐いた。
「離れて下さい」
「ん……」
嬉しいそうに椎名さんは微笑むと僕の背後に素早く移動した。
椎名さんのその姿を確認し、僕は手の平サイズの錆び付いた銅片をポケットから取り出した。
さっきの戦闘で僕はコードを使用出来る程の気力はなく、今はガオウを追い掛ける位の体力しか残されていない。
それも宮守さんから護身用に予備のソードデバイスでも貰えば良かったなと、今更になって後悔している程だ。
だから僕はダークネスには見せなかった武器を使用する事にした。
「まさかこれを使う羽目になるとはな……。〝『ディシスザクラ』 絶希〟」
銅片は僕の声に反応して、全く同じ銅片を無尽蔵に増加させた。
そして全ての銅片は重なり合いながら元の形から異なる形状へと変化し、僕の右手には歪な形をした黒色の長剣が顕現した。
これは転移前にある人物に頂いた武器、言わば宝具に近い代物だ。
ダークネス戦で使用しなかった理由は、元の持ち主との関係を知らせない為でもあった。
(情報は小出しにした方が都合が良い場合も有るからな……)
僕は黒色の長剣を空振りさせて、空間そのものを斬り裂いた。
するとその瞬間。空間から鎌鼬のような黒い衝撃波が生み出され、鉄格子のフェンスを材質関係なく粉々に破壊してキーロックを弾け飛ばした。
黒色の長剣は元の銅片へと戻り、僕は銅片をポケットにしまった。
「……ん。いつ見ても凄いね」
「どうも」
〝〝貫通〟〟
《目の前に槍が放たれ、僕達は死亡する》
「危ない!」
「……ん。大丈夫」
僕達の前方から高速発射された一本の鉄の槍が姿を現した。
椎名さんは僕の前へ飛び出し、スカートのポケットから玩具のような灰色の短剣を取り出した。
すると椎名さんの身に着けていた水晶のペンダントが白く輝き始め、灰色の短剣がその輝きを全て吸収し、オーラのような白色のエネルギーをその身に宿した。
「〝ゼクシード〟」
灰色の短剣はまるで生き物のように片手剣へと変形し、椎名さんはその片手剣を使用して鉄の槍を斬り裂いた。
すると鉄の槍はその場から忽然と消滅し、片手剣の刃は硝子が粉砕するように激しく割れた。
椎名さんの手には持ち手の茎のみが残り、それを見て椎名さんは静かに一言呟いた。
「……簡易版にしては上出来」
「今のは……?」
「ディルギア。波長が合わなかったから、私のゼクシードで抉じ開けた」
ディルギアとは変幻自在の武器であり、宝玉の魔力を吸収させる事で本来の力を発揮するサラブレッド型魔剣。
宝玉の魔力は自然回復する事が出来るが、宝玉を扱うには体内に魔力を持たない者以外は使用出来ない為、ディルギアの所持者は相当少ないらしい。
そして椎名さんは僕と同様にゼクシードが使える。
だけどそれがどんな能力なのか、僕に教えてはくれなかった。
「それって上出来とは言わないんじゃ……」
「確かに……。効果自体は問題無いけど、もう少し波長共鳴率は欲しいかな」
専門外なので椎名さんの話は僕にはさっぱり理解出来なかった。
今度宮守さん辺りにでも聞いて見るか……。
「早く行きますよ。佐野が変死体になってたら処理面倒なので」
「……ん。そうだね。でも佐野は生きてるよ」
「その保証は?」
「秘密」
椎名さんは水晶のような白い瞳でウインクし、その答えを態と隠して走り出した。
僕はやれやれと首を左右に振りつつ、椎名さんの後を追い掛けた。
◇ ◇ ◇
長い非常通路を抜けると、僕達は技術科の大型倉庫へと辿り着く。
椎名さん曰くここは技術科の創立者フレア・アイギスと共同管理しているホワイトクラン内の倉庫。
大型倉庫にしては対戦場よりも結構な広さであり、備品や物資は棚に厳重管理されていて本人以外は解除出来ないキーロックが施されていた。
すると最奥の片隅で男性の叫び声が木霊した。
「待ってくれ!」
僕達はその声に気付いて現場へ駆け付けると、そこには魔術科の黒制服を着た前髪長めな橙色ショートの男子生徒、佐野慎一郎と金髪少女のガオウの姿が見えた。
ガオウは特に気にもせず、持っていた紅い大鎌で佐野の胸を斬り裂いた。
佐野は出血して赤い血液を周囲に飛び散らせ、壁に背中を預けつつもゆっくりと前へと倒れた。
するとガオウは追い討ちを仕掛けようと、再度紅い大鎌を振り上げた。
「ガオウ! やめろ!」
僕の呼び声にガオウは気付き、ピクリと身体が反応した。
だが当の本人は全く僕の呼び掛けに応じていないように見えた。
だったら……。
僕はガオウの名前を口に出した。
「イミ。やめてくれ……」
イミは紅い大鎌をその場から消滅させ、僕の方へと振り向く。
するとイミはガーネットのような紅い瞳で僕を見つめながら一言呟いた。
「明人のばか」
すると隣りから椎名さんが僕に近付いて来て、僕達二人を見て嬉しそうに微笑む。
「……ん。お似合い夫婦」
「な……! 椎名さんは茶化さないで下さい!」
椎名さんは僕の困惑した表情を楽しみながら、血塗れの佐野へと近付いた。
「……ん。急所は外してるね」
「こいつ。案外渋とかったぞ」
「だってフレアのお気に入りだもん」
二人の他愛のない会話が飛び交う中、僕も佐野へと近付いて歩み寄る。
佐野の身体は刃物で数カ所斬られた跡は残っているが、重傷に成り易い急所は全て外れていた。
まあ見ていて結構痛々しいが、今回は佐野の自業自得だろう。
それにこの位の傷なら佐野は逃げようと思えば逃げれた筈だ。
だとすれば敗因は、ここから脱出する方法が見つからなかったからか……。
確かにこの大型倉庫は非常通路から簡単に入室可能だが、退室には本人の許可が必要な特別な場所だ。
だからこそこの場所は、本来佐野が目指すべきゴール地点では無かった。
それはイミの介入によって失敗したんだろうな。
「……俺を殺すのか?」
「話し掛けるな。今治療してやるから」
「何故だ……、九重。お前には色々と酷い事をした筈だ。なのにどうして……?」
「テラ。治療してくれ」
〝分かった〟
テラは佐野の全身に治療術式を掛け始めた。
僕のその行動を見て佐野は起き上がろうと必死に抵抗して来たので、僕は佐野の身体を地面に強く押し付けた。
「俺は助けてくれとは言ってない!」
「僕もお前を助ける気なんて有ると思うか?」
「ならどうして……!」
「誰がお前を助けたのか、お前自身が知っている筈だ」
すると佐野のイエローオパールのような黄色の目から、一粒の涙が流れて地面へと零れ落ちる。
そして佐野はその誰かの名前を口ずさむように小言で呟いた。
「望愛……」
ふと佐野の口から技術科の宮守望愛の名が出る。
そう。あの機械人形襲撃後、宮守さんは僕に佐野の事を全て託されていた。
佐野に関する情報はスマホを通して全て明かされ、佐野が何故技術科の天才児だと呼ばれていたのか、それは佐野が元技術科の生徒だったからだ。
だが魔力検査で魔力無し判定となったその日を境に佐野の精神は没落し、魔力を持たなくても簡単そうな魔術科に学科移動した。
あの機械人形は、技術科の技術と魔術科で学習した知識を用いて組み立てた、佐野にしか出来ない代物だったようだ。
だが材料費や魔石の購入などのコスト面が維持出来ず、同学年で偶々見つけた王族。回復科の間宮輝夜を捕らえて大金を手に入れようと試みたが、その途中で僕達に遭遇して今に至る。
「俺の完敗だ。どうせここまでの被害を考えると俺の処分は良くて退学決定、悪くて奴隷落ちだ。お前の好きにしろ、九重……」
「……ん。明人に任せるよ。楠見には私が伝えるから」
「俺はどうなろうがお前に従う。俺の使いだからな」
佐野は自らの完全敗北を認め、椎名さんとイミはそれぞれ納得しながら僕に判断を委ねた。
「じゃあ佐野。僕のギルドに入れ」
「理由を聞いても良いか?」
「ぶっちゃけ言えばメンバーが足りなくて今困っててな。それと今まで一人なんて寂しかっただろ」
「お前に俺の気持ちが分かるかよ……」
「知るか。僕がお前の情報を全て知り尽くしたとしても、お前自身に僕の言葉が響くと思うか?」
佐野は押し黙る。
人間誰しもどんな人物なのかは行動力や周囲の反応などで大体分かると思うが、それはその人物の外見のみ。
それに気持ちに関しては本人が明かさない限り誰も知る術はなく、それを理解した所でどう解釈されるかは誰も分からない。
そしてその気持ちを利用して騙す奴だって世の中に居るのだから、それを相手に聞いた所で果たして解決出来るのか。
出来る訳が無い。それを逆手に取ると相手は直ぐに逃げる。
何故か? それは相手も自分の気持ちを全く知らないから。
「黙るなら何も言うな」
「分かった……」
佐野は静かにそう呟いた。
すると椎名さんが僕の会話の間に入り、佐野に話し掛けた。
そう言えば佐野に用事があるって事前に話してたな。
「佐野。フレアが呼んでたよ」
「分かったと伝えてくれ」
「……ん。分かった」
僕には何の事なのかさっぱり分からなかったが、これで佐野の件も無事解決したな。
その後。今回の騒動は佐野に状況を説明させる事にして、僕達は回復科の生徒達に佐野の身柄を引き渡した。
◇ ◇ ◇
数日後。
慎一郎の治療や教師科の事情聴取が終わり、僕達は宮守さんの見舞いで回復科附属病院へと来ていた。
間宮は担任教師から許可が貰えたらしく僕達よりも先に行っており、僕はガオウと慎一郎を連れて来るのに結構な時間が掛かってしまい、結局昼になってしまった。
殆どガオウが原因なのだが……。
「良くそんな甘い物飲めるよな……」
「苺オ・レは偉大なんだぞ!」
「明人。このイ……、ガオウに何か言ってやってくれ。俺はこう言う女子は嫌いなんだ」
ガオウは呼び方に気付いて、慎一郎をジロッと睨み付ける。
すると慎一郎はその視線が恐くなったのか、ガオウの名前を呼び直した。
「慎一郎の意見に同意したい所はあるけど、そもそもガオウは虫歯にならないからな。何言っても無駄だ」
「良くこんな奴と付き合えるよな」
「こんな奴とは聞き捨てならねえな」
「慎一郎。間違ってもティナさんの前では言うなよ」
「あの引き篭もり女なら大丈夫だ。何せ魔術科になってから一度も出会った事すらないからな」
(それもどうなんだ……)
僕達はエレベーターで三階まで上がり、宮守さんのいる病室へと向かう。
そう言えば宮守さんは再来週まで退院出来ないってティナさんが言ってたな。
まあ本人はピンピンしてるみたいだけど、慎一郎を連れて来て本当に大丈夫だったのか不安だな。
慎一郎は二人にも謝罪したいと言ってたし、まあ良いか。
僕達は病室へ着くと、ベッドの側に居た二人組。
水色の私服に長袖の白衣を羽織る桃色ロングヘアの女子生徒、回復科の間宮輝夜と、黒いセーラー服姿に黒色ロングヘアのお嬢様、魔術科のティナ・ラスティーさんに軽く挨拶を交わし、僕は宮守さんが元気に過ごしているのか彼女のベッドを覗いた。
すると宮守さんは漫画で見覚えがあるような包帯ぐるぐる巻き状態になっており、何からどうツッコミを入れたら良いか分からなくなるが、当の本人は気持ち良さそうに熟睡中だった。
て言うか、もうこれミイラじゃん。
「これ。生きてんだよな」
「はい。一応ですが……」
「大丈夫ですわ。怪我は殆ど完治してますし。で、そちらの方は例の?」
「ああ」
「俺は二年魔術科の佐野慎一郎。男として情けない行為をしたと思っている。だから……、すみませんでした」
慎一郎は上半身を深く下げて、間宮とティナさんに謝罪した。
すると間宮は慎一郎の誠意を見て意外な対応を見せた。
「身体を起こして下さい。私は佐野君とはあの日以来ずっと嫌いでした。ですが更生する意思があるなら、私は貴方を尊重します。また同じ過ちを起こさないように気を付けて下さいね」
「輝夜さんがそう仰るなら、私は別に良いですわ。では私はお先にお暇させて頂きますわ。あー、あと佐野。その眠り姫の事、宜しく頼みますわね」
慎一郎の行動に驚いた間宮はルビーのような赤い瞳を丸くさせたが、流石はオーディアの姫様だ。
模擬戦前に慎一郎と会っていたにも関わらず、善悪を問い質さない聖女のような優しい対応を施した上、この場の空気を同時に和ませた。
そんな間宮の発言による予想外の展開に、逆に驚かされたのはこの場にいた僕達全員であり、ティナさんも僕の表情に気付いて軽く溜息を吐いた。
その結果。今回の収拾が面倒臭くなったのか、ティナさんは慎一郎に全部丸投げしてこの場から立ち去った。
「おい明人。初対面の相手に呼び捨てとか有りなのかよ」
「ティナさんいつもあんな感じだからな」
「ティナを悪く言うなよな」
「俺は初対面なんだよ! 分かるか小娘!」
「はあ? 口をホッチキスで止めてやろうか……」
「二人共、喧嘩するなら外でやってくれ」
慎一郎の気持ちも分かるが、ガオウも物騒な事を言ってるし、どうしたものか……。
「あの……!」
間宮の声に引き寄せられ、僕達は同時に振り向いた。
「これからも私を宜しくお願いします。アキさん、佐野君、あとガオウさん」
恥ずかしいそうに話す間宮を見て、僕達は微笑みながら間宮を歓迎した。
その後。病室に慎一郎を残し、僕はガオウと間宮を連れて病室から去った。
「本当に良かったんでしょうか?」
「良いんだよ」
心配そうに話す間宮を見て、僕は優しく肯定した。
すると僕達が歩く廊下で、白髪の少女椎名さんと黄緑色の短髪ツインテールの見知らぬ少女に出会い、一度僕は挨拶を交わした。
「椎名さん。そちらは?」
「……ん。子供」
「子供言うなー! 私はフレア・アイギス。君が白愛のお気に入りだね! 宜しくね!」
僕は椎名さんに彼女を紹介して貰うと、椎名さんは一言でその少女フレアさんの逆鱗に触れた。
確かにフレアさんの身長は低く、童顔で見た目も子供っぽい反応をしており、椎名さんの言っている事は大体理解できる。
しかし彼女と殆ど容姿が変わらない椎名さんにそれが言えるのかどうか、僕には理解出来そうになかった。
すると間宮が僕の背中へ引っ込むように隠れた。
「どうした?」
「フレア・アイギス!? この方は技術科の重鎮でして……」
知ってる。彼女とはこれが初対面だが、実際は何度か見掛けた事がある。
だが椎名さんのように毎日会えるような仲ではなく、フレアさんは無限高内をテーマパークのように遊んでいたので、そもそも会う機会が無かっただけだ。
「……ん? そこまで強くない」
「何をー! 今日と言う今日はって言いたいけど……、白愛のゼクシード強いからやめとく」
「……ん。正しい判断」
ふと見知らぬ言葉に疑問を持ったのか、間宮は椎名さんに尋ねた。
「あの。ゼクシードって何ですか?」
「……ん。知らない方が良い。ね! 明人」
「そうですね」
本当に知らないのか間宮は首を横に傾げたが、確かに椎名さんの言う通りゼクシードの情報は内密にしておいた方が良いだろう。
するとガオウが僕の制服の裾を軽く引っ張る。
「行くぞ、お前」
「待ってガオウ」
「白愛なんかに見惚れるな」
(そんな理不尽な……)
そして僕達は椎名さん達と別れ、寄り道をしながら旧校舎へと帰宅した。
あの長い三日間を終えて数日が経ち、ようやく僕達はこの物語のスタートラインに立つ。
だがこの時はまだ誰も予想していなかった。
この世界全てを支配する本当の敵に……。